うつくしいくらしかた考

「うつくしいくらしかた」が導く自然に向き合うWellbeing

2022年6月1日

世界的なパンデミックを経験し、私たちのライフスタイルは、この1、2年で大きく変化しました。
そのような中、より現代の生活者に合った「うつくしいくらしかた」を提案していくために、我々うつくしいくらしかた研究所では、今日の生活にある「うつくしいくらしかた」の実態を調べることにしました。

本研究所では、“自然に寄り添う” “不便や手間を厭わずプロセスや姿勢を大切にする” “個人の知恵や技を高める”といったことを「うつくしいくらしかた」と捉えています。
実際に「うつくしいくらしかた」からどのようなことをイメージするか、自由想起のアンケートをとったところ、「丁寧に暮らす」「自然を感じる(配慮する)」「シンプル」という3つの大きなキーワードで括ることができました。

そこで今回の調査では、「うつくしいくらしかた」の構成要素の1つである「丁寧な暮らし方」について、生活者の意識や実態、受容性などを調査してみました。

 その結果、丁寧な暮らしをしている人は、していない人よりも、「今、とても幸せ」だと思う割合が約3倍も高いことがわかり、「丁寧な暮らし」をすることで、より豊かな暮らしへと昇華していることがうかがえます。
そのような人たちの暮らし方をみてみると、モノを長く使用し、季節を楽しむことを心がけたり、電化製品に頼りすぎない生活を送るなど、昨今社会で注目をされているような環境に配慮した生活を送っています。
しかし、それらをする理由としては、あえて「環境に配慮した生活」を意識しているのではなく、「穏やかな気持ちになるから」など、自分のために自ら進んでそのようなライフスタイルを選んでいることがわかりました。
半世紀前は多くの時間が費やされていた家事仕事が、電化製品などの普及により簡便になった一方で、それらに頼らず手間をかけることが楽しさや豊かさを提供しているのかもしれません。

昨今、社会ではサステナブルな暮らしやウェルビーイングの向上が求められていますが、今回の調査からは、無理のない範囲で楽しくできる「丁寧な暮らし」が、とりまく社会課題の解決に寄与する可能性があることがうかがえました。
「丁寧な暮らし」を出来ることから始めたり、学んだりする機会を提供していくことが求められているのではないでしょうか。

 

【調査概要】
・調査目的:うつくしいくらしいかた、丁寧な暮らし方に関する実態・意識を明らかにする
・調査対象:全国の20歳~79歳 男女600サンプル
・調査方法:インターネット調査
・調査時期:2021年12月3日~6日

 

【調査結果トピックス】

◎「丁寧な暮らし」を「実践している」と思う人は、全体で34.8%。

今は丁寧な暮らしをしていないが、今後丁寧な暮らしを心掛けたい人は全体で20.2%となり、実践者と意向者を合わせると半数を超える結果となった。

 


◎丁寧な暮らしを実践している人はモノを長く使用し、季節を楽しむライフスタイル傾向。

「丁寧な暮らしを実践している」人の普段の生活意識として、「自分に合う良いと思ったものを長く使いたい」(90.9%)「日本の季節や自然の移ろいをたのしみたい」(86.1%)などの意識が高く、実際に旬を意識した食材購入や季節の花を楽しんでいる割合なども高い。

 


◎「うちわ・扇子」「やかん」「ほうき」など電化製品に頼らない生活も。

「丁寧な暮らしを実践している」人は、掃除機・炊飯器などの電化製品は使用しつつも、「うちわ・扇子」(81.8%)「やかん」「ほうき」(75.6%)などの利用率も高く、便利なものに頼りすぎない、手間暇をかけ、環境にも配慮された生活を送っている。

 


◎「丁寧な暮らし」をする理由は、「穏やかな気持ちになるから」。幸福度も高い。

 「丁寧な暮らし」を実践していると思っている人の実践理由は「穏やかな気持ちになるから」が64.6%と、日々の精神的な安定が主な回答だった。
「地球環境に良いから」は28.7%にとどまることから、昨今の環境問題を意識して「丁寧な暮らし」をしているのではなく、自然体で「丁寧な暮らし」をしている結果、環境にも配慮することになっていると言える。

 


また、「丁寧なくらし」をしている人の幸福度(「今、とても幸せ」+「比較的幸せ」)は77.0%と高く、トップボックスの「今、とても幸せ」の割合は、「丁寧な暮らし」をしている人では18.7%、していない人では6.4%と、約3倍の差があった。

 


◎女性の20代~30代は、「丁寧な暮らし」への意向はそれほど高くはないものの、
具体的な“生活文化”や“暮らし”を提示すると、実践意向の高い項目が多い。

 「丁寧な暮らしを心掛けたい」人は20代で46.0%、30代では44.0%と全体の52.8%に比べてやや低い。
一方で、「季節の花を買ってきて飾る」「家庭菜園で料理に使うハーブや薬草を育てる」「ドレッシングを手作りする」「風鈴で涼む」など、具体的な暮らしを「実践していないがこれからやってみたい」人は他世代よりも多い。

 


次回は、その「丁寧な暮らし」の機会になりうる年中行事の実態についてレポートします。
季節の移ろいに合わせ、人間と自然が対話し、その様式が地域や家庭で受け継がれ発展してきた年中行事。
今どの程度の人が実践しているのでしょうか。

 

 

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